ほんとうにおいしい店だけのグルメガイド
東京とっておき! !

凄まじすぎる航海。

2011.01.21

小笠原諸島と日本本土を結ぶほぼ唯一の交通手段、
おがさわら丸。

この船、総トン数6700トンもの大型貨客船ながら
時速にして40km/h以上を出せる高性能な船で、
そこらのプレジャーボートでも追いつけないくらいの
スピードで走ります。

 

 

東京-父島が25時間半もかかるといっても、1,000キロもの
距離の外洋をこの時間で駆け抜けることができるのは、
この船の能力があってこそ。

揺れにも強く、ちょっとやそっとでは運休しない頼もしい船なのです。

ところが、1月15日に父島を出港したおがさわら丸は、
すさまじい航海となりました。


下の写真は、船内にこの日張り出されていた海況の予想図。

左が出港翌日の16日午前9時の予想図、右が午後9時のもの。

左の図を拡大すると。

波の高い大荒れのエリアが、父島と東京の間を阻んでいます。

水色の線は、私が書き加えたおがさわら丸の大まかな航路。
(実際はもっと最短距離の直線ですが)

今回の航海で、おがさわら丸は海が最も荒れる時間に、
5メートルを大きく超える波のど真ん中を突っ切って
行かねばならないのです。

おがさわら丸は、何がなんでも東京に戻ろうとする船です。

小笠原行きの便が台風や波で運休することはあっても、
東京行きが運休することはまずありません。

父島停泊中に付近で台風が発生したときなどは、
出港予定を繰り上げてでも東京に帰ってしまいます。

父島の二見湾は天然の良港とはいえ、おがさわら丸が
ひとたび風にあおられれば係留ブイとを結ぶ鎖は引きちぎられ、
流された挙句岸壁に打ち付けられる危険性だってあるからです。

今回もかなり最悪の海況の中、意地で東京に戻ろうとする
おがさわら丸。

そして実際に、深夜からすさまじい波が私たちを待っていました。

荒れ狂う海とはまさにこのことで、
次々と牙が生えてくるようにして、波が襲いかかってきます。

これらの写真は、16日になって夜が明けてから
撮ったものですが、すごかったのは夜が明ける前。

船は横方向にはブランコのように揺さぶられ、
前後の方向にはシーソーのようにばったんばったんと
跳ねまわります。

そう、長さ130メートルもある巨艦が、波に翻弄され、
飛び上がっては落ちるのが手に取るようにわかるのです。

船内にはそのたびにドッシャーン、ガッシャーンという
轟音が響きわたり、とても眠りに落ちることができません。

動画だと、この波の上で跳ね飛ばされるようすが
わかってもらえるでしょうか。

かなり上にある窓も、波しぶきに覆い尽くされます。

横波で転覆もあるかも…と初めて本気で考えたほどです。

そして船には、異常が起きていました。

写真は、16日午前6時40分に船内のモニターに表示された航跡。

不思議な線を描いています。

青ヶ島の手前で急に右に進路を変更、数十キロ北東方向へ。

船員に聞いても、「あまりの波に、余儀なくされたんです…」と
はっきりとその理由を教えてはくれませんでした。

実はこのとき、”事件”が起きていました。

左舷後方にある特二等船室の窓が、
波の力で破壊されたというのです。

船室内には大量の水が流れ込み、
けが人が出たのではないかというウワサも流れていました。

進路変更は、この事故の処置などのためだったのでしょう。

しかしいまどきの船で、窓が波で破壊されるなんてことが
現実にあるとは夢にも思いませんでした。

その後は大きな騒ぎにはなりませんでしたが、
進路変更とスピードダウンを強いられたことで、
東京・竹芝桟橋への到着は1時間15分遅れとなりました。

一時は船内アナウンスで3時間半遅れの19時到着予定、
と言っていた時もありましたから、それに比べればよく回復
したほうです。

16日16時45分、おがさわら丸到着。

左舷後方、写真の真ん中の窓はたしかに
応急処置のなされた姿が痛々しいものになっていました。

しかし、この窓の高さは喫水線から10メートル近くはあるはず。

この窓が波で破壊されたというのですから、
今回の海の荒れ具合とその波の力は想像を絶するもの
だった、ということでしょう。

いやはや、すさまじい航海を体験したものです。

 

 

 

 

 

 

 

この文章は「とっておき!!のねごと。」からのものです。
http://www.totteoki.jp/negoto/

みんみん(♂)とっておき!!支配人

福岡県生まれの九州男児。中学高校とブラスバンドに所属し、高校のブラスの先輩がタモリさんというのが数少ない自慢です。メディア関係の企業に就職し、転勤族だったため各地のおいしいお店を探して食べ歩きを始めたのがこのウェブサイトの原点。現在は、映像関係の会社を営んでいます。

コメント

  • より:

    おお!やっとこれでみんみんさんも海の本当の怖さが判ってきたようですね。
    私はこの10分の一の船で波高7Mの海を航海したことありますけど。
    体が空中に浮く体験をしました。
    操舵室に登ってみると、まるで小山のような波の山を駆け上がり
    今度は谷底に真っ逆さまという状態を繰り返しているのが
    判りました。
    海の猛者で有名な「魔修羅のエンちゃん」こと鳶職の親方も
    「コレあかんでー覚悟せにゃぁ」と言ったきり三段ベッドに横になりましたもんね。
    荒れた海は本当に怖いです。
    少しは私を見直しましたか?

  • みんみん(♂) より:

    海の怖さはわかりましたが、だからといって
    なぜ秀さんを見直さなきゃいけないのかがわかりません。
    7mの大荒れの海にわざわざ小舟で釣りに行って
    ゲロ吐きまくるなんてただのバカじゃないですか。
    一緒にしないでください。

  • より:

    あのですね、瀬渡船は船長の判断で出港するのですよ。
    男女群島は遠いので一日目の夜は島の安全な場所で停泊して
    次の日の早朝に瀬渡し、お昼に回収して着路となるんです。
    当時は約5隻の男女群島専門の瀬渡し船がいたのですが、
    平戸口出航の時は海は穏やかでしたが、帰路は大荒れとなりました。
    他の瀬渡し船は安全を優先して島の停泊地で待機したようですが、
    我々が乗船した「こうりゅう」という船は船長判断で帰路についたわけです。
    無線で他の船から「やめろ」とか「返ってこい」とか
    言ってるのが入ってきて不安だったんですが船長判断です。
    どうしても還らねばならない理由でもあったんでしょう。
    おかげで酷い航海になりましたが、後世の語り草になりましたし、
    少々の荒れ海でも驚かなくなりましたね。
    驚かなくなったって事は冷静に対処できるようになったという事です。
    だから多少海に事についてエラそうな事言っても黙って聞きなさいね。

  • みんみん(♂) より:

    「少々の荒れ海でも驚かなくなった」とか
    「冷静に対処できるようになった」とか言っても、
    そのもとになった経験っていうのは単に
    無謀な船長の船に乗せられてゲロ吐きまくった
    っていうことだけなんでしょ?
    それって偉そうに言われることなんでしょうかねぇ。

  • より:

    ゲロはきまくったってどこにも書いてないのですけど・・・
    相変わらず捏造がスキですねぇ・・・・

  • みんみん(♂) より:

    じゃあ一回も吐かなかったとでも?

  • より:

    はい。このときは吐きませんでしたよ。
    それにみんみんさんみたいに薬も飲んでませんしね

  • みんみん(♂) より:

    ウソばっかり。
    ゲロの海、って言ってたじゃないですか。

  • より:

    まったく・・・・
    玄界灘の沖ノ島行きのときです。
    これも酒の飲みすぎかどうか曖昧ですけどね。
    みんみんさんみたいに酔い止め飲んでも
    ゲロまみれとは違いますって!

  • みんみん(♂) より:

    どうせ沖ノ島の神様に普段の悪行をとがめられたんでしょ。
    天網恢恢疎にして漏らさず、ですよ。
    でも男女群島でもゲロまみれって言ってませんでしたっけ?
    あ、怖くて失禁したって話でしたっけ?

みんみん(♂) へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

広告