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絶海の孤島。

2010.09.24

「あの、小笠原のことを”絶海の孤島”って呼んでもいいでしょうか?」

小笠原村の役場のひとに、こう尋ねたことがあります。




小笠原諸島に行ったことのある人ならばわかると思うのですが、
この島を表現するのに「絶海の孤島」という言葉ほどぴったりと
来る言葉はありません。

なにしろ周囲はすべて太平洋。
都心から南に1,000kmも離れ、伊豆七島の南端・八丈島からでも
700kmも離れてぽつんと浮かんでいます。



しかもこの島は誕生してから現在まで、一度たりともほかの陸地と
地続きになったことがありません。そのため生物は独自の進化をし、
“東洋のガラパゴス”と言われるほど貴重な生物が数多く暮らして
います。


「絶海の孤島」とはまさにこの島 (正確には島々ですが)に使わずしてどこで使う、
というほどぴったりの言葉だと私は確信しています。

ところがあるとき、”我こそは言葉の権威”だと思っている連中から、
“小笠原に絶海の孤島という表現はいかがなものか”とクレームが
つきました。

簡単に言うと「”絶海の孤島”は差別的な表現であり、
小笠原の人々が嫌がる」と言うのですが、本来”絶海の孤島”は
島のありようを描写した言葉であり、差別的要素など持っていません。

しかも彼らに「小笠原の人々が嫌がるって、実際に聞いたの?」
と聞くと、「聞いてないけど、きっとそう思うはず」というお粗末さ。
それでは「言葉狩り」そのものです。

そこで実際に尋ねてみよう、ということで冒頭の質問になったわけです。

「あの、私は実際に何度も島を訪れてみて、”絶海の孤島”こそが
小笠原を表現するのに最適な言葉だと思うのですが…。」

役場のひとは、しばらくの沈黙のあと、こう話しました。

「う~ん、絶海の孤島って、青ヶ島のような島のことを
言うんじゃないでしょうかねぇ」

…それって、目くそ鼻くそでは。

思わずそう口をついて出てきそうになりました。


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                          (つづく)

みんみん(♂)とっておき!!支配人

福岡県生まれの九州男児。中学高校とブラスバンドに所属し、高校のブラスの先輩がタモリさんというのが数少ない自慢です。メディア関係の企業に就職し、転勤族だったため各地のおいしいお店を探して食べ歩きを始めたのがこのウェブサイトの原点。現在は、映像関係の会社を営んでいます。

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