ヌンチャクは、沖縄がルーツです。
ヌンチャクはブルース・リーが振り回していたため、
日本人もほとんどが中国発祥の武器だと思っていますが、
実際は琉球古武道を学んだ日本の空手家・出村文男が
ブルース・リーに伝授したもの。
そして、空手そのもののルーツもまた、沖縄です。
沖縄といえば、青い海に真っ白な砂浜、そして美しい珊瑚礁。
それにおおらかで明るい人々とおいしい食べ物、というイメージ。
さらには「琉球には武器というものがない」と聞き、ナポレオンが
すごく驚いた、というエピソードでも有名です。
とても空手のような荒々しい武道が生まれた場所とは思えません。
しかし、そもそも「武器のない国・琉球」なんて完全なウソっぱち。
当時、琉球王府は西洋人に対して「この島には武器がない」と
ウソをつくようにしており、見事に騙された連中がこのウソを
世界中に広めてしまったというのが真相。
大海原にぽつんと浮かぶ沖縄は、太古の昔から海賊など外敵の
脅威にさらされてきましたから、武器や兵力を持たずに国を維持する
ことなどできるはずがありません。
世界最強の殺人拳法(C.W.ニコルさん談)である空手が
沖縄に生まれる素地はもともとあったのです。
ところが、この空手はいったいどのようにして成立したのか、実は
はっきりとはわかっていません。
伝承では、もともと沖縄には「てぃ」(”手”の沖縄読み)という名の独自の
武道があり、これに中国拳法を加味して完成されたのが「唐手」に
なったとのこと。そしてこの「唐手」が大正時代、日本本土に上陸
したときに中国を連想する「唐」の文字を嫌い、”素手”をイメージする
「空手」に名前を変えたといいます。
では、最大のルーツであるはずの「てぃ」とはどんな武道だったのか。
これがまた、沖縄の空手家の間でもまったくわかっていなかったのです。
なにしろ「てぃ」は口伝であり、写真や絵はおろか、解説書などもまったく
残っていなかったのですから。
しかし、「てぃ」は密かに現代の沖縄で受け継がれていました。
那覇の三線屋の主人や、小さな道場の父と娘によって。
「てぃ」が初めてメディアに姿を現したのが、3年前に放送された
「日本人の知らない日本へ 沖縄 隠された武道」という番組。
最初の来日の目的が空手の修行だったというC.W.ニコルさんが、
空手のルーツを求めて沖縄を旅し、「てぃ」がいまも受け継がれて
いることを発見する、という内容。
そこで初めて見た「てぃ」は、空手とはまったく別のものに見えました。
変幻自在のしなやかな動き、どこからでも繰り出される鋭い突き。
ぶら下げられた電話帳のページ1枚を、拳によって切り裂くという神業。
現在この番組はNHKオンデマンド(有料)で公開されていますが
なんとこの番組、「お試し試聴」でこの「てぃ」の核心部分の映像を
無料で見ることができるのです。
驚きました、ほんとに。
番組のキモの部分をタダで見せていいのか、おいおい、って。
ある意味、番組の内容よりも驚きです。
まあちょっと見てみてください。驚きますから。
この文章は「とっておき!!のねごと。」からのものです。
http://www.totteoki.jp/negoto/