牡蠣の季節がやってきました。
大塚の「GOTOO」のカキフライが絶品と聞き、また昨夜アマゾンプライムで見た「孤独のグルメ」のカキグラタンがめちゃめちゃおいしそう…。
そうして頭の中が牡蠣に占拠された状態で訪れたのは「青山からす亭」。
麹町にある、まさに古き良きニッポンの洋食のお店です。
カキフライも載ってる通常のランチメニューとは別に、牡蠣メニューで埋め尽くされた1枚の紙も渡されます。
グラタンにドリアに牡蠣スープにリゾット風。なぜかカタカナ表記の“バターヤキ”にベーコンソテーと徹底的に迷わせてくれます。
やはり井之頭五郎がおいしそうに食べたカキグラタン、と思いましたが、13:00から紀尾井町で打ち合わせ。すでにこの時点で12:10でしたので「グラタン、時間かかりますよね?」と尋ねると「オーブン使いますからほかの料理よりもかかります」と至極まっとうな答え。なので早くできそうな“バターヤキ”にしました。
迷いから解放され、店内を見回すと空席が目立ちます。コロナ禍の折、小さな店が敬遠されてるのか、いまだ在宅勤務で周辺のビジネスマンが来ていないのか、それとも最低でも千円というランチの価格帯が客層に合わないのかはわかりませんが、古き良き洋食の名店としては物足りない感じです。
さて、早くできるだろうと頼んだ「カキのバターヤキ」ですが、待てど暮らせど出てきません。あとに入ってきた客のカキフライが先に提供され、ややあせります。
出てきたのは30分すぎ。
結局、グラタンでも一緒だったんじゃ…。
見ると大きなお皿の中央に、小さめの耐熱容器が鎮座しています。
上に乗っているのは舞茸。
かき分けるとありました、牡蠣が。けっこう大きめの牡蠣が4つ。ぷりっぷりで熱々です。
舞茸のほかは蓮根や長芋などがあり、醤油ベースのソースでまとめ上げられ
ています。これはおいしい。
牡蠣のバター焼きというと、四谷三丁目の「キッチンたか」のを想像していただけに最初は「なーんだ少ないじゃん」と思ったのですが、単に集められ重ねられてただけで少ないことはありませんでした。
それにしても牡蠣のうま味が溶け込んだソースのおいしいこと。ご飯だけでなくバゲットですくい取って食べたい衝動を抑えるのが大変でした。
時間さえあれば…。
また、添えられたスープのおいしさも特筆ものです。
鶏の濃厚なスープにかき卵と笹身が浮き、一品として出せるほど。
いいの?こんなにコストかけて、と言いたくなるほどのものでした。
ライスセットをつけて合計1,900円の豪華ランチでしたが、満足感のほうが上回りました。
この店「からす亭」のカラスは神話の鳥、八咫烏(やたがらす)。
気高き誇りを胸に、江戸っ子なまりのシェフにはまだまだ頑張っていただきたいと思います。
東京にはまだまだ古き良きニッポンの洋食の店がありますね。
「青山からす亭」(麹町・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13000296/