ほんとうにおいしい店だけのグルメガイド
東京とっておき! !

ガンツケ。

2014.02.01

「ガンツケ」。

ヨソでは怖い言葉ですが、佐賀では食べ物の名前です。

佐賀から東京に出てコンサルタントとして成功し、お金持ちに
なった伯父がいたのですが、彼が最高に喜ぶ佐賀みやげが
当時たった500円のこれでした。

「がんつけ」とは、小さなカニをすりつぶして塩で漬け込んだもの。
「真がに漬け」などとも呼ばれているようです。

干満の差が大きい有明海には、なぜか左のハサミだけが
極端に大きい「シオマネキ」という名のカニがいます。

そのハサミを振りかざすようすが手招き、つまり満潮を招いて
いるように見えたためその名がついたのでしょう。

昔はそこらじゅうにいたこのシオマネキを各家庭ですりつぶして
発酵させ、ご飯の友にしていたそうです。

すりつぶし具合によって「あら」と「つぶし」があり、「つぶし」は
ペースト状なのですが「あら」はハサミや甲羅が原形をとどめて
いてちょっとグロテスク。

しかももんのすごく塩辛くて、私なんか一口で嫌になるほど
しょっぱかったのですが、筑後川の河口の旧川副町に生まれ
育った伯父にはまさにソウルフードであり、東京では当時
決して手に入らない郷土の味でした。

このがんつけを帰省みやげで持って行くと、伯父は喜んで
当時高価だったウイスキーを何本も持たせてくれました。

エビでタイを釣る、ならぬ、カニでサケを釣っていたわけです。

その伯父の七回忌ももうすぐ。
久しぶりに見つけた「がんつけ」はちょっとしょっぱい思い出を
呼び起こしてくれました。

そうそう、最近はパスタや炒飯の隠し味に使うそうですよ。

この文章は「とっておき!!のねごと。」からのものです。
http://www.totteoki.jp/negoto/

みんみん(♂)とっておき!!支配人

福岡県生まれの九州男児。中学高校とブラスバンドに所属し、高校のブラスの先輩がタモリさんというのが数少ない自慢です。メディア関係の企業に就職し、転勤族だったため各地のおいしいお店を探して食べ歩きを始めたのがこのウェブサイトの原点。現在は、映像関係の会社を営んでいます。

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