年寄りにとって最も怖いこと。
それは、自分が世の中から忘れ去られていくことでしょう。
今回の都知事選の細川・小泉の騒動は、この事実を
如実に物語ってくれています。
わずか1年たらずで政権を投げ出した細川護熙。
彼が首相として成し遂げたことといえば、
ウルグアイ・ラウンドでコメを部分開放したこと、小選挙区
比例代表並立制を導入し、つい1年前までの政治不安定の
きっかけを作ったこと、国民福祉税導入を突如発表した
ものの頓挫したこと。
そして、東京佐川急便からの1億円借り入れ問題で
辞任したことだけです。
その後政治に嫌気がさして隠居し、いびつな形の
焼き物を作っては、元首相の肩書で見せびらかすのにも
飽きたのでしょうか。
それとも、かつて自分がつくった日本新党に集まった
松下政経塾あがりのガキンチョたちが、今の日本で
いまやほぼすべて矢折れ刀尽きた状態にあるのを
見かねたのでしょうか。
いや、本当のところは単に自分が忘れ去られていくことに
耐えきれなくなり、ここらでもう一旗揚げたいと考えたの
ではないかと思えてくるのです。小泉純一郎も含めて。
ですから、政策なんて実はどうでもいいのかもしれません。
とにかく、5,000万円のカネの問題で辞めた猪瀬直樹の
後任を決める選挙に、1億円のカネの問題で首相を辞めた
細川護熙が立候補するなんて、悪い冗談としか思えません。
もう20年も前のことだから、と思ってるのは本人だけ。
さらに「東京五輪返上論」までぶった御仁が、本当に
出馬できるのかどうかさえ疑わしく感じてきます。
もしかしたら意外にも “究極の後出しジャンケン” で、
石原慎太郎が都知事選に打って出てきたりして。
「オレの東京はオレが守る」なんて出てきたら、
まさにドラマです。
「昔の名前で出ています選挙」、とでも呼びましょうか。
(敬称略)
この文章は「とっておき!!のねごと。」からのものです。
http://www.totteoki.jp/negoto/