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いすず(宮城東松島・民宿)

民宿いすず

その日獲れた魚が中心の、食べきれないほど豪華でおいしい夕食が楽しみな民宿ですが、もっと楽しみなのは”ババ”(東北弁でおばあさんの意味)と会えること。

いまやテレビの影響によって方言というものが薄らぎ、多少の訛りはあっても「標準語を全然しゃべれない」という日本人はひとりもいなくなってしまいました。

…と思っていたら、いたのです。

この宿の愛すべき”ババ”が。

民宿いすず

「ほら、夕飯さできたから”けーっ”」と、強情なまでに生まれ育った東北の言葉で語りかけてきます。本人によれば、本当に標準語は喋れないとのこと。まくしたてるように熱く語りかけてくる”ババ”の話は正直なところ、話の半分近くはわかりません。たぶんこんなことを話してるんだろうな、こんなことを伝えたいんだろうな、と話の前後から意味を類推して会話をする異国の旅状態。

でも、ぶっきらぼうに見えて実は優しい東北の言葉を操る”ババ”の姿はとってもチャーミングです。

我々に対し、常に親身になって細かく気遣ってくれているのが伝わり、帰るときはいつも温かい気持ちに。

この”ババ”に会いたくてすでに3回、4泊も泊まった私にとってはもう”東北の母”。こうして写真付きで紹介させてもらう許可を取ったほどに素敵なのです。

民宿いすず

この宿があるのは、宮城県東松島市の宮戸島。

津波で甚大な被害を受けた野蒜(のびる)地区の南に位置する小さな島で、周囲の島々と合わせ奥松島と呼ばれ風光明媚なことで知られてきました。

島の西には松島湾の穏やかな海が広がり、牡蠣の養殖などでその恵みを享受してきました。

民宿いすず


しかしこの島もあの日、津波に襲われます。
集落の奥にある、南に面した小さな入り江から押し寄せた津波は、瞬く間に集落を駆け上がり、高台にあるこの民宿にも襲いかかります。

波の高さは室内の腰の高さほど。しかし建物の縦方向から来た波は、アルミサッシのガラスを突き破ることなく建物の周囲を駆け抜けていき、幸いにも室内に被害はあまりありませんでした。

 

民宿いすず


島の南側の大浜や月浜などの地区では、建ち並ぶ民宿をはじめ集落すべてが消えてしまったのに対し、運が良かったとしか言いようがありませんでした。

それまで地元の人々の宴会が主だったこの宿は、あの日以降、取材陣や復興事業の作業員などでずっと満杯。最近に至るまで”ババ”はこうした人々を受け入れ続け、復興の手伝いをしてきました。

 

民宿いすず


そして1年半がたち、やっと落ち着きを取り戻した今、”ババ”は客を選びながら細々と宿を続けています。

民宿いすず

夕食も朝食も、家庭料理ではありますが品数も多くとても豪華。

民宿いすず

“ババ”のご主人が獲ってきた魚を中心にするためその日によってメニューは変わりますが、どれもみなおいしく、満足感も満腹感も非常に高い食事となっています。

 

民宿いすず


なかでも地味ながらとてもおいしいのが魚の煮つけ。
東北は味付けが非常に塩辛いというイメージがあり、実際に岩手・猊鼻渓の宿で食事が塩辛くて閉口した経験が私自身にもあるのですが、この宿の煮つけはとっても優しい味。豊かな海に面した温暖な地域ゆえに歴史的に塩蔵の必要がなかったためでしょうか。とても安心できる味付けです。

 

民宿いすず


正直なところ、泊まれるかどうかはその日の”ババ”の気分次第。

部屋が空いてようが空いてまいが、あなたを泊めるかどうかは”ババ”との電話での駆け引き、”ババ”の受ける印象ひとつにかかっているのです。

しかし、それでももし東北に行く用事があったら、ぜひ一度チャレンジしてみることを強く強くお勧めします。

一度でも”ババ”の愛に触れることができたら、必ずやあなたもそのとりこになるはずですから。

「民宿いすず」(宮城東松島・民宿)
https://tabelog.com/miyagi/A0404/A040404/4013429/

みんみん(♂)とっておき!!支配人

福岡県生まれの九州男児。中学高校とブラスバンドに所属し、高校のブラスの先輩がタモリさんというのが数少ない自慢です。メディア関係の企業に就職し、転勤族だったため各地のおいしいお店を探して食べ歩きを始めたのがこのウェブサイトの原点。現在は、映像関係の会社を営んでいます。

店舗情報

店名 いすず(宮城東松島・民宿)
ジャンル 和食, 鮮魚, 郷土料理
TEL 0225-88-3090
住所 宮城県東松島市宮戸字里35
いすず(宮城東松島・民宿)
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交通手段 野蒜駅より車で15分
定休日 不定休

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