【閉店しています】
とにかく多すぎるんです。ご飯じゃなくて、カレーが。
いや、正確に言うと、ご飯だけじゃなくてカレーも。
2回目の今回はハンバーグ定食あたりにしようかと思っていたの
ですが、ふと見回すと客の全員がみなカレー。いわゆる世間の
同調圧力と言うのでしょうか、カレーを頼まざるを得ない雰囲気を
感じ、やっぱりカレーに。ハンバーグカレーにしました。
出てきたカレーが上の写真。ちょっと顔を出している物体が
ハンバーグなのですが、けっして小さくはありません。
器がとんでもなく深すぎるのです。
つまりハンバーグはあたかも海底火山。
顔を出した部分は小さくとも、水面下には巨大な全貌が隠れている
のです。
それにしてもとんでもない量です。
たぶん1リットル、レトルトカレーにして5個分はあるのでは
ないかと。
ご飯も多いのですが、それでもカレーをかけまくってほとんど
スープカレーのようにして食べていかないと最後にかなりの量が
余ります。
その反面、味は薄め。
カレーのなかにはトマトや豚ばら肉など具もたくさん入っている
のですが、率直に言ってそう印象に残る味ではありません。
辛さも控えめ。
食べ進んで行ってだんだんと辛さが蓄積されていく感じです。
まあしかし、逆に言えばこの量で濃い味でしかも激辛だったり
したら絶対に最後まで耐えられません。量に合わせての味付け
なのでしょう。
場所は築地と言っても北の方。日比谷線築地駅の北口を出て
西に向かった一角にあります。
建物の角に緑色の大きな看板があり、窓のすべてに手描きの
イラストが。これはご主人が描いたものだそうで、あまりの
大量さにちょっとひるんでしまいます。
店内はU字型のカウンターのみ。中央に陣取るのは奥さんで、
隅々まで目配りが行き届くのと表裏一体でチェックも厳しい。
たとえば薬味はカウンターの上に置かれていて、各自好きな
ものを取れるのですが、ラッキョウを何個か取ったあとは
すっと遠ざけられたり。
洋食屋によくあるきれいに折りたたまれた紙ナプキンを使って
たら、箱入りのティッシュをさっと目の前に置かれたり。
まあ私が料理の写真を何枚も撮るので、あまり好かれて
なかっただけなのかもしれませんが。
かつてはロシア料理店だったのを庶民的な洋食屋に変えたと
いうことで、店を代表するカレーはサワークリームが乗った
「ロシアンカレー」。甘酸っぱさはいいアクセントとなっています。
すぐ近くに日刊スポーツの本社があり、体力勝負の人々が数多く
来ることから量本位に舵を切ったのでしょう。
ひと皿に大いなる満腹感を求めるのならここです。
覚悟して訪れてみてください。
「キッチンカミヤマ」(築地・カレー/洋食)