【閉店しています】
福岡出身なので、ラーメンはやっぱりとんこつです。
でもこの店ができてから、福岡に帰省してもわざわざラーメンを食べに出歩く気にならなくなりました。下手に食べ歩いてハズレを引くくらいなら、東京に戻ってから確実においしいこの店に行けばいいや、と思えるようになったのです。
また、親しい人間は必ずと言っていいほどこの店に連れて行きました。
現在のご当地B級グルメブームの張本人である、ある新聞社の特別編集委員。また保守の論客として知られる別の新聞社の論説委員。さらには日本人でありながらミャンマー全土停戦への立役者となった男性。この味をわかってくれそうな人はみな連れて行き、全員に喜んでもらえました。
それほどまでに、この店はおいしい。
店があるのは、いわゆるラーメン激戦区と呼ばれて久しい高田馬場。
駅の北にある早稲田口を出て左、かつてフジタンと呼ばれた東京富士大学に向かう「さかえ通り」の端っこにあります。
とんこつと言うと油ギトギトのイメージを持つ人が多いのですが、よくできたとんこつはコラーゲンの塊。
泡立つぐらいにぐらぐらと煮こまれた豚の骨を中心にした、とろっとろでうまみたっぷりのスープがなんといってもこの店の命です。
横浜のいわゆる“家系”や、広島ラーメンもベースはとんこつですが、それらは醤油を加えた別物。
とんこつそのもののうま味だけで勝負するなかでもこの店のとんこつスープはまさに直球ど真ん中といった感じでしょうか。良くも悪くも臭く、うまいのです。
麺は博多の標準的なものよりもさらにやや細め。これは毎日のように福岡の製麺所から空輸で取り寄せているそうで、小麦のうま味がしっかり。
ゆでかたは5通りありますが、ヘンに通ぶったりせず真ん中の「かた」か次に柔らい「ふつう」がお勧めです。
「当店の麺は生で食べても大丈夫なほど新鮮です」とは書いてありますが、地元福岡でも「粉落とし」だの「針金」だの実際に食べているのは少数派なのですから、おいしいものはちゃんとおいしい状態で食べましょう。
なお、この店はサイドメニューも充実。
なかでも「ゆでぎょうざ」はぷるんとした皮がおいしくおすすめ。
そのほか他の地域では「筑前煮」と呼ばれる、鶏肉と根菜の炒め煮「がめ煮」も味が濃くておいしいです。砂糖の使い方が九州ならではの味です。
そのほか「かしわめし」は型で作っているものの、味は保証しますのでラーメンだけではちょっと足りないというときにどうぞ。
もともと本店が高円寺の南の方にあって、おいしいのは知っていてもなかなか行けなかったのですが、高田馬場という便利な街にできてくれて本当に行く回数が増えました。
これからもずっと続いていくことを心から願います。
「ばりこて」(高田馬場・ラーメン)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13174766/